大島渚、あなたは

大島渚は、えらい。

いつの頃からか、そう思っていた。

かつては黒澤明が、映画監督としては1番えらいと思っていた。
いつの頃からか、小林正樹と大島渚が、僕にとってその位置を占めるようになっていた。


小林正樹は、僕が意識したときには既に鬼籍に入っていた、過去の巨匠であった。

大島渚は、違った。
テレビをつければいつだってその笑顔を(怒りを)を振りまいていたし、親が見ている隣で、テレビで初めて「戦場のメリークリスマス」を観た時は、異様な衝撃(としか言いようがない)を受けた。

そして、「御法度」。
封切りの時、劇場で二回観た。
観る度に言い知れぬ感情(感動ではない)を抱いて家路についた。

そして、「儀式」。
レンタルビデオ店で見つけた、この作品を観た時、僕の中で大島渚の存在は不動のものとなった。


僕が魅せられたのは、ストーリーでもなく映像でもなく、まず、その「顔」であった。
そこに映っている、俳優達の顔。

佐藤慶や戸浦六宏といった、はなから異貌の人はひとまずおくとして、津川雅彦、佐々木功、河原崎健三、中村敦夫、藤竜也、ビートたけし、坂本龍一といった、テレビでおなじみのスター達でさえ、他では全く観られない、別の顔をしていた。

彼らはそれぞれ俳優であり、コメディアンであり、歌手であった。
ところが彼らはみな、そうした職業人としての顔を、全て剥ぎ取られて、ただ映画の登場人物として、そこに呆然と立たされていた。
彼らはみな楽しそうではなかった。
しかし、そこには生々しい、虚飾を剥ぎ取られた、一個の生きた人間がいた。


言うまでもなく、映画は作り物である。
そこに生きた人間がいる、と感じること自体がひとつの錯覚である。
しかしそうした印象を観客に抱かしめるほどに、大島渚とその現場は、演じる者に一切のごまかしを許さなかったのだろう。


大島に深く傾倒する僕は、その著作集にまで手を出し始めた。
そこで接した発言、文章から判断して断言するが、大島渚は、間違いなく世界で一番、その存在自体が面白い映画監督の一人である。

多くの映画監督が、ありきたりに撮影現場のエピソードや、スターの人柄なんかを話してお茶を濁すところを、大島は常に自分の全存在をさらけ出し、その政治思想、そして人間観を、感情にまかせて喋りまくっていた。
誰彼構わず、権威には噛み付き、愛する者に対しては、衒いなく褒めまくっていた。

しかし、その一見八方破れに見える発言が、全体を通してみると、不思議なくらい筋が通って感じられた。
感情のままに喋っていることが、筋が通るわけがない。
全部計算なのである。

政治的闘争の現場に身を晒し、そこで常にイニシアチブを握っていた人間とはこれか、とそのしたたかさを目にして、僕は震撼した。
そしてますます大島渚が好きになった。


大島のように、毀誉褒貶の激しい人生をことさら激しく生き、さらに映画監督として撮った作品にもその人間性が露わになっている人間など、おそらく最後だろう。

彼こそは、こそこそした日本の芸能界に忽然と現れ、駆け抜けた一人のますらおと呼ぶにふさわしい。


さようなら、大島渚。

しかしその残した作品は、永遠に僕達を揺り動かし、叱咤激励し続ける。

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Twitter始めました。

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登録名は、tanakahosanaです。

ブログよりははるかに更新頻度が高いので、もし興味があって、田中の現況を知りたいという方には、こちらの方が最適かもしれません・・・。
主として下さらないことをつぶやいておりますが、そこは大目に見てやってくださいませねm(_ _)m。

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最新作「時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。」単行本1巻発売!

皆様、お久しぶりです、田中ほさなです。

1年半にもわたるブログ放置、面目しだいもございません・・・m(_ _)m。
しかも「乱飛乱外」の連載が終了した後も、こちらにおいてはなんのご挨拶もなく。
「あいつは今頃、どこで何をしているんだろう・・・」なんて思っていた方もいらしたかもしれません。

田中はその後も漫画家としてしっかり働いておりました。
雑誌を「少年シリウス」から小学館から出ている「ゲッサン(月刊少年サンデー)」へと移し、去年の夏から連載を始めておりました。
そして4月12日(木)、とうとうその作品が単行本にまとまって、第1巻を発売できる運びとなりました!
タイトルを「時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。」と言います。


Tokisakasanvol11fix_5

単行本のキービジュアルです。

お姉ちゃんがわんさか登場して、戦国時代を舞台に、ところ狭しと暴れまわる「乱飛乱外」とは打って変わって、時代は現代、舞台は田舎の高校。
今回も平穏無事をモットーとして生きる少年が主人公、という点は同じなのですが、今回そこに現れるのは戦国とは正反対の、未来からやって来た女子高生!そして彼女が今回主人公を巻き込むネタは、なんと環境☆破壊!!

未来の人類を救うために現代に来た、という彼女に手引きされ、環境破壊に心ならずも加担していく主人公の運命やいかに?そしてヒロイン、時坂さんの真の目的とは!?

アクションあり、笑いあり、恋愛あり、SF(?)ありの盛りだくさんな内容になっております。
そういうところは「乱飛乱外」と変わりません(笑)
説教くさくも難しくもなく、楽しい漫画になっていると思います。

もしこの記事を読んで、興味を惹かれた方がいらしたらぜひに!お手にとってお読みくださいませ~。

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「乱飛乱外」最新刊8巻発売!

。。。。。まだ夏だよね!?

こんにちは、田中ほさなです。

明日、久しぶりに「乱飛乱外」の最新刊が発売になります!
待っていて下さった方々には、ホントにお久しぶりになってしまいましたー。
それにしても、8巻なのに9月9日発売とは。。。ちょっとまぎらわしいですよね(苦笑)。

とりあえず、表紙絵からどうぞ。

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新キャラの修羅雪さん。

試しにオリジナルデータをアップしてみました。
これをカッコよくデザイナーさんが仕上げて下さったものが、書店店頭に並ぶわけですね。


それにしても、今回から発売日がシリウス全体で26日→9日に変更になって焦りました。

だって、単行本告知には「2010年夏発売!」ってうっちゃってあるし(苦笑)。
8月26日合わせでスケジュール組んでたところへ、この変更ですよ?
当然今さら8月9日合わせで組み直すこともできないし、結果、なし崩し的に9月発売に(涙)。


。。。でも、すべてはこの暑さが解決してくれましたよ!
ありがとう残暑!
これだか暑けりゃ夏だよね?夏だよね?


。。。というところで冒頭のつぶやきに戻るわけです。


さて、8巻は、内容的にはかなり濃いものになっております。
敵(星眼)、味方(雷蔵)&くのいちたちが入り乱れる、怒濤の展開です。
今まで出会ったお姫さま達も再登場して、いよいよクライマックスが近付いてきました!という感じですね。
連載6年目に突入して、いよいよここが正念場。頑張れ自分!


お手にとっていただいて、楽しんでいただければ幸いです。
感想なども、お気軽にいただけると嬉しいです


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