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SとかMとか

みなさんは飲み屋で女性陣の話題をさらう、という経験をしたことがありますか?
僕はあります。生涯ただ一度きりだけだけど。

あれは出版社の年末のパーティの3次会で、宴もたけなわ、といったころだったと思う。


ふと僕が、「あのさ、作品を読むと、描いている人がSだかMだか分かるような気がしませんか?Sだったらひたすら主人公を虐めたおすとか、Mだったらひたすら虐めに耐え忍ぶ主人公を描くとか。。。(良く考えるとこれどっちも同じだな)」とかなんとか適当なことをいったら、「えっ、ホントですか!?」とその場にいた女性作家さん一同が、驚くほど食い付いたのだ。

そこから、「ほら、あなたのキャラってよく虐められてるから、あなたMなんじゃない?」とか「でもあたし、どっちかっつーと虐める方に感情移入してんだけどなー」。。。という感じで場がひとしきり盛り上がった。
ああいうのはいいものである。なんだか自分が良いことをしたような気がする。


さて、話題を提供した僕はどうかというと、「ややS」くらいな感じだと思う。
ただ、漫画家である限りは、少々のMっ気がないと勤まらないので、差引「ノーマル」くらいなものではないだろうか。

こんな風に描くと、「漫画家にMっ気?あんたに?はあ?」とその筋から文句が出てきそうである。
しかし、どんな偉い漫画家さんだって、ネームの段階で(もしくは完成原稿になってからも)編集さんのチェックを受けるし、その時には「ああ、あそこを直されはしまいか」とか「『こんな漫画、うちの雑誌に載せられるかよ!』とか言って、ネームを机に叩き付けられはしまいか」とか考えながら、小鳥のように心をびくつかせているのである。

だいたい、今を時めく浦沢直樹さんだって、NHKの「プロフェッショナル〜仕事の流儀」なんかを見ると、担当の長崎尚志さんに、「あのさあ、浦沢さんさあ、ここの手のアップ、手の置き方が違うんだよね。バン!って叩き付けるんじゃなくて、そうっと置く感じに直してくれないかなあ」なんて言われて、泣く泣く完成原稿を直したりしているのである。
こういう商売が、なにかにつけて状況をコントロールしたがる、真性のSに勤まるものかと思う。


もちろん物事には例外があるもので、真性のSでも、立派に漫画家として活動してらっしゃる方もいる。
伝え聞くところによると、某世界一売れている漫画雑誌に、長く連載をなさっていた某先生は、アシスタントを虐めるそうである。
それも、何人かいるスタッフのうち、「今週はこいつ」と決めて、1週間、その人を虐め続けるそうである。
で、翌週はまた別の人が、という感じでえんえん続いて行く。。。らしい。

毎週変わっているだけましなのかもしれないけど、こういうのは雇われている側からするとたまったものではない。
僕はアシスタント歴が長かったので、こういう話を聞くと本当に腹が立つ。。。というか、お腹が痛くなる。しくしく。
DV(ドメスティックヴァイオレンス)の負の連鎖が、漫画界にもしっかり形をかえて存在しているのである。
怖いですね。


さて、なぜこんな話題をいきなりしたかというと、いま描いている、「乱飛乱外」の新章に出てくるキャラクターが強烈なSキャラだからである。

登場まで乞うご期待、かなり楽しんで描けましたから。。。なんていうと問題ありそうだけど。

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